素粒子のちから

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物理
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物質と素粒子

私たちは太陽系第3惑星、地球に住み大気があって3次元空間の中に住んでいますね。
そしてこの世は物質であふれていて、私たち人類も物質のひとつです。
物質とは空間の一部を占領し、有限の質量を持ちエネルギーの一形態であり
量子論の世界では、物質は「場」といわれていたりします。
では、原子や素粒子とは何でしょうか?私たち人間はさっきも言った通り物質です。
人間の体はタンパク質、炭水化物、水、鉄、アミノ酸、ビタミン、ミネラル・・・
数え上げたらキリがないものでできています。その一つ一つを形作る上で現在分かっている
それ以上分ける事ができない最小が「素粒子」です。




素粒子って?

私たちのまわりは物質で溢れていますが、ではその物質の最小である
素粒子とはどんなものだろうか?

上のイラストをご覧頂くと少しは分かりやすいかな?
applestarが子供の頃までは原子の中の原子核と電子の事しか知りませんでした

原子とは「電子」と「原子核」からなる空虚なものです。

原子核とは「陽子」と「中性子」からなる高密度なものです。
素粒子とは陽子・中性子からなる「クオーク」電子やニュートリノなどからなる「レプトン」
ちからを伝える「グルーオン」「ボゾン」、光子である「フォトン」
その他にも「ヒッグス粒子」、重力子であるとされる「グラビトン」
(未発見)などがいわれていて
17種類あるとされています。(標準理論。グラビトンを除く)


素粒子物理の歴史

素粒子物理というジャンルは主に、理論(素粒子理論)と実験(高エネルギー物理)があります。
今ではこのように確立していますが、元素や原子が極小でそれ以上のものは無いと

されていた時代が大昔にはあったようです。いつの時代も新しい斬新な考えは、
なかなか受け入れられないものです。そんな歴史を少し話しましょう。

1.自然と物理

物理学は自然科学の一部であり、自然科学に
みられる現象を力学的に紐解いていく学問。
大昔は科学でありながら哲学や宗教的なものに
左右される時代がありました。
現在では自然界が従う普遍的な法則を
きちんと理解しようとしている時代。

沢山の幅広い研究があります。
画像の方は、とても大昔の学者さんです。
法則といえばこの方・・・
ヨハネス・ケプラー!科学的に自然を見出した
先駆者のひとりでもあります。

2.元素、原子の時代

17世紀に入り、ボイルが「これ以上単純な物質に分解できない物質の構成要素を元素とする」と
定義しその後、メンデレーエフが原子価を重視し周期表を作成。当時、メンデレーエフ氏は
受け入れられてませんでしたが、原子核に
含まれる陽子の数など明らかにし物質の構造の理解におおいに貢献したことを機に原子論に進んでいく。その後、素粒子論への幕開けの兆しともいえる、ジョセフ・ジョン・トンソン氏の真空管を通る陰極線が「電子」である発見がありました

3.日本人物理学者の活躍


写真は湯川秀樹 博士です。

原子核という10⁻¹⁵mしかない極小の場所に陽子(+)が幾つもあって同じ+電荷同士
なぜ反発し合わず居続けられるのか
疑問に思い反発し合わずに陽子と中性子を結びつける中間子の存在を理論予言し相互作用について論文発表した凄い方。
その後、パイ中間子は発見され、湯川博士はノーベル賞を受賞しました。

日本には素晴らしい方々が沢山いらっしゃいます。朝永振一郎、南部洋一郎、西島和彦、applestarも高校生の頃から愛読しているNewton初代編集長の竹内 均、小柴昌俊、

益川・小林理論の二人、佐藤勝彦、そしてapplestarが大好きな村山 斉 。書ききれない
素晴らしい研究者がたくさん!

4.素粒子研究の成果

電子の発見、霧箱での陽電子の発見
ミュー粒子の発見、電子ニュートリノの発見、β崩壊によりパリティ対称性の破れが実証、クオーク理論の提唱と
実証K中間子がパイ中間子に変化するCP対称性の
破れの発見タウ粒子の発見、W/Z粒子の発見、
タウニュートリノの発見、ヒッグス粒子の発見などなど
20世紀から21世紀の現在に至るまで
まだまだ書ききれない理論と功績がありました。

人間の目では決して見る事ができないものを研究する
現代の素粒子物理学に欠かせないものがある。
それは検出器や加速器による衝突実験です。
昔に日本や海外でも理論上、提唱され数式での
答えは出ても、実証というのは困難だったものが
21世紀に入り衝突実験により次々に成果が出ている。
新しい重元素の発見も原子炉や加速器での発見。

日本にも加速器はあります、有名なところでは
Spring-8(兵庫県)、J-PARC(茨城県)、大学等の研究施設。私たちには関係ないと思う方が多いと思いますが
仕組みを知らないだけで、日本で一番多い場所
それは病院なんですよ。ガン治療などに使用される
「重粒子線 治療」って聞いたことありませんか?
それも立派な加速器で光速の70%まで加速するんです。
身近になりつつあるんですよ。

素粒子のちから

素粒子・・・私たち人間の目では決して見れない、原子よりも小さい小さい粒子に
どんな役割があるのでしょうか?そんな素粒子のお仕事ぶりを覗いてみましょう!

まず、素粒子1つだけじゃ物質はできないといわれています。
ということは素粒子と素粒子が何等かの働きがあって物質を作ってるという事になるね。

電磁気力

物質にあふれているこの地球に住み
私たちは日々何かに触れています。
物に触り感触があるというのは、この電磁気力の
お陰です。applestarの手にある原子の中の電子(-)
と今ブログを書いているPCの原子の中の電子(-)が
同じマイナス同士で反発し合ってるから
感触があるんです。

この反発力に欠かせないのが、電子と
別な電子との間に光子(フォトン)の
受け渡しがあるらしいです。
電子は深呼吸の様に
光子を吸ったり吐いたりしてるらしい。

弱いちから

原子核を形づくっている陽子と中性子をさらに
覗いて見ると、クォークといわれる
素粒子が3つ集まってできているんです。
名前の通りとても「弱いちから」しかない
素粒子たちで、ベータ崩壊の原因になる。

日本のノーベル賞研究者の小柴、梶田博士で
有名なニュートリノ粒子が、クォークや
電子にきわめて接近した時
ウィークボソン(3種類ある)という素粒子を
受け渡しした事で「弱いちから」が生じ
衝突が起きるようです。

スーパーカミオカンデの水にニュートリノが
入ってくるとチェレンコフ光と呼ばれる
光が生じる事があります。

ニュートリノはわずかに質量があります。

強いちから

先ほども述べた様に、陽子と中性子は
3つのクォーク素粒子でできています。
このクォークにも+と-があります。
アップクォーク(+)とダウンクォーク(-)で
↑上の図、陽子を例にすると
アップクォーク2個、ダウンクォーク1個です。


このクォーク素粒子をバラバラにせず
結びつけているのは、グルーオンという
素粒子の受け渡しをしている事で
生じる「強いちから」によって
まとまっているようです。

グルーオンの質量はゼロです。

重力

さあ、今まで書いてきた「電磁気力」に
「弱いちから」「強いちから」は素粒子のやり取りで
生じたもので量子論に基づいていますが
この重力だけは、一般相対性理論に基づいてます。
なぜ、重力だけ量子論で説明できないのか?
重力にも素粒子の受け渡しがあると考えていくと
答えに「無限大」が生じ理論が成立しないという壁が。


この重力だけは、素粒子の発見がされてません。
どうしたらいいのか?そこで素粒子の大きさを
ゼロと考えるのではなく、素粒子はひもの様な
もので、閉じたり、開いたり、振動したり
そう考えると、四つのちからを
統一的に考える事ができるらしいです。
超弦理論ですね。重力子(グラビトン)が
発見される事を心から願います。

素粒子にはそれぞれに反粒子が存在すると考えられています。
例えば、電子(負の電荷)には陽電子(正の電荷)、光子(中性)には反光子(中性)が存在し
重さなどは同じで電荷の符号やスピンなどが逆という反粒子があります。

粒子と反粒子が出会うと「消滅」(対消滅)するといわれています
ではなぜ、消滅せずにこの世に私たちがいて、反粒子がいないの?
それは、粒子と反粒子の崩壊率が非対称性(CP対称性の破れ)である為。
B中間子と反B中間子の崩壊率が極々わずかに違う事が
茨城県の高エネルギー研究所で実証され、小林・益川理論が正しい事が
分かりましたね。
そのわずかな差で私たちが今いるって事ですね

素粒子研究の今後は・・・

複数の理論が提唱されている中で、今後の素粒子物理学は
未知の新粒子発見にかかっています。
宇宙の様な凄まじい中で生まれ、目で見えないものは私たちの
日常生活にある様な環境では生み出せないでしょう。
天体の様な莫大な核融合反応の様なエネルギーを生み出すのは
高エネルギー加速器が必要になります。
ヒッグス粒子発見もLHC(ハドロン型衝突加速器)によるもの。

まだ詳細の分からないヒッグス粒子の性質を調べる為、未知の粒子を発見する為
ILC(国際ニリアコライダー)の稼働目標を掲げている。しかも日本で。
(予定未)

今後、新しい粒子の発見があり宇宙創成にまた近づける時代が
来ることを願っています。できれば早い未来に知りたいな^^
こうした素粒子の研究が何になるの?と漠然に思う方がほとんどかもしれませんが
医療の分野、私たちが使うエネルギー分野、ゴミ処理問題など身近な問題に
良い兆しが見い出せるかもしれません。
そして何より、宇宙がどうしてできたか?
この究極の答えを知りたくありませんか?人類はこの「なぜ?」を
知るべく生まれたのかもしれませんね。
では、今日のロケット打ち上げの成功を喜びここらへんで終わります。バイバーイ💛



ILC 国際リニアコライダー計画より画像引用
東京大学 素粒子物理国際研究センターより画像引用
広島大学 極限宇宙研究拠点CORE☆Uより画像引用

人物画像は全てWikipediaより引用
産経新聞ホームページより画像引用

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