宇宙誕生、最初の１秒

宇宙誕生、まばたき１回ほどの瞬間に
「時間、空間、物質、エネルギー全てが動き始めた」
その後に起こる宇宙の歴史より遥かに多くの
目まぐるしい出来事がこの１秒間に
起きていると物理学者はいいます。
さて、今回のBLOGでは
宇宙誕生、最初の１秒についてお話します。

無のゆらぎ

生まれたての宇宙は「無」だとされています。
「無」とは、物質も空間も、時間さえもない状態。
しかしそこでは、極々小さな宇宙が
生まれては消え、生まれては消え
そのひとつが何らかの原因で消えずに
成長したのが、私たちの宇宙だといいます。
その最初の宇宙は１１次元で
いわゆる、ひも理論（超弦）の世界です。

やがて余分な次元が小さくなり
空間の３次元と時間の１次元だけが
残ったのだといいます。
「無」とは全く何もない、訳ではなく
物質も空間も、時間さえもない中で
極々小さな宇宙が生まれては消えている状態のこと。
これを「無のゆらぎ」といいます。

この時の「生まれたての宇宙」ってどのくらいの
大きさなのでしょうか？「無のゆらぎ」と
言うくらいなので小さいのは確かでしょうが
実はなんと！！・・・・
押しピンの穴は、生まれたての宇宙の１億倍の
１億倍の１億倍の１億倍ぐらいの大きさだそうです💦
10⁻³⁴センチメートルという極小の世界！

インフレーション

極小のゆらぎ宇宙が誕生してから
10⁻³⁶秒から10⁻³⁴秒後の間に
極小だった宇宙が一気に大膨張します。
これを「宇宙インフレーション」と呼んでおり
10⁻³⁴センチメートルという極小の世界が
なんと！10¹⁰⁰倍の大きさになりました。
お気づきの通り、この間１秒まだまだ経ってません。
という事は、宇宙誕生の瞬間では
光の速度を超える膨張速度だったわけです！

現在の宇宙膨張を加速させている
ダークエネルギーと同じなんですが
しかしその100桁以上もの驚異的な大きさを持つ
「真空のエネルギー」が、誕生直後の
宇宙空間を倍々に膨張させていったようです。
そしてこのインフレーションとともに
時間、空間が広がり始め、物質は素粒子のみ。

ビッグバン

インフレーションで急成長した宇宙は
超高温・超高密度の火の玉となりました。
「ビッグバン」の始まり。
宇宙が誕生して10^–²⁷秒後に起こった出来事
100兆℃から1000兆℃の過酷な中では
光子を含む素粒子しか存在していません。

ビッグバンの始まりの約1兆分の1秒後に
「ヒッグス場」が形成され
それとの相互作用によって特定の素粒子は
動きにくくなり、光よりも遅くなりました。
「動きにくさ＝慣性質量」を持ったようです。

素粒子には「粒子」と「反粒子」があり
お互いが出会うと消滅し、光のような軽い粒子に
なる性質を持っています。しかし粒子の方が
反粒子より10億個に1個ほど多かった様で
粒子の方が残ることになりました。
これが、現在の宇宙の物質のもとに
なったと考えられているのです。

宇宙誕生から１秒後

ビッグバン直後の宇宙は100兆℃以上の灼熱地獄。
しかし１秒後には100億℃まで下がり
宇宙の大きさも１光年ほどに広がりました。
この頃にはお馴染みの素粒子
電子と陽子も誕生していて
「光」もまた生まれました。

この頃は１光年に空間が広がったとはいえ
素粒子の密度は今とは比べ物にならない程
超高密度で溢れかえった物質に邪魔され
光が直進できない時代です。
なので、この時代の宇宙を現代の
電磁波望遠鏡では観測する事はできません。
なぜかって？
だって「光＝電磁波」を放っていないのでｗ

宇宙誕生から１秒、その後・・・

光を放ってない？
でも世界はこんなに光で溢れているのに
どういうこと？？と思った方へ。
素粒子でわちゃわちゃしてる高密度の世界では
直進できなかった光も
年月が経過していき温度も冷え始めると
宇宙誕生から約38万年後あたりには
「宇宙の晴れ上がり」といって
光が直進できる時代がやってくるんです

バラバラに飛び交っていた陽子と電子。
宇宙空間も膨張が進み
3000℃まで冷えた宇宙では
陽子が電子を捕獲し始めました。
上の画像のように「水素」が誕生したのです。
これにより光を散乱させ続けてた電子が
おりこうさんになった為
光が直進できるようになりました。

credit : 東京大学宇宙線研究所

宇宙誕生から38万年以降の宇宙の姿は
電波望遠鏡でも確認することができ
上の画像は135億年まえの銀河候補の１つである
天体も発見できています。
宇宙に果てはあるの？
とよく質問がありますね。

「果て」というか、観測可能な宇宙しか
分かっていません。
宇宙誕生から38万年後までは
光を放っていないので
電波望遠鏡では観測できないからです。
「重力」・・・人類誰もが知っていて
でも発見さえされていない謎の物質を
キャッチできれば物理学は１つ謎を突破
できるはずです。

今の私たちがあるのは、宇宙誕生直後の
ごく僅かな瞬間に起こった出来事の
おかげです！さまざまな素粒子が誕生し
時間、空間が生まれ膨張し
今があります。
観測不可能な時代を観測するには
重力子の発見が不可欠！！
今日は「宇宙誕生、最初の１秒」をテーマにしました。
applestarでした♪バイバーイ✋