未来の月探査計画

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宇宙科学
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この時期なかなか快晴の満天星に
出会える機会は少ないですよね。
台風や豪雨など次々にやってきますから。
そんな時、星は見えなくても雲間から
ほんの少しだけ
見え隠れする
お月さまに嬉しくなりませんか?



地球の唯一の衛星である「月」・・・。
今日は月にまつわる世界の宇宙事業や
民間の月ビジネスなど世界の今を
のぞいてみましょう👀
長文になりますが薄い本だと思って
気軽に読んでくださいね📖


月と人類



人類と月の歴史


私たち人類が誕生した時から既に
地球の衛星に
なっていた「月」。
いつか月に行きたい…私もそう思う一人です。
先ずは、月の詳細をみていきましょうか♪

・直径⇒ 約3476km(地球の約4分の1) ・質量⇒  地球の約81分の1
・地球との距離⇒  約38万㎞  ・自転、公転周期⇒  約27.3日 
・重力⇒  地球の約6分の1 ・表面温度⇒ 昼は約110℃、夜は-約170℃(赤道付近)
・月はどうやって生まれた? ⇒分裂説、捕獲説、双子説、衝突説。
 ※衝突説(ジャイアントインパクト説)が有力。初期地球あたりに何かしらの大きな小惑星?隕石?が衝突して、ばらまかれた地球の欠片が集まってできた説の事です。

 ※地球の周りを1公転する間に、1自転します。自転も公転と同じ27.32日の周期のため、地球からはいつも同じ面しか見ることができません。


月の誕生は地球とほぼ同じ約45億歳。
地球にはある大気も、月にはほぼ無いので
気温差も激しいうえに、太陽の影響も大きく
受けますし、宇宙に飛び交う宇宙線ももろに受け
月に人類が住むには
課題は山積みなんです。




太古の昔、人類には月の出、月の入りの
時刻の違い、満ち欠けの状態を観測するのが関の山。
その後、望遠鏡による観測が発展し、ソ連による
ルナ計画で月の裏側を初めて撮影したり更に発展し

アメリカによるアポロ計画で月のサンプルリターンに
成功し人類が初めて月に着陸したが、1980年以降は
「人類を月へ」という計画はストップし他の惑星探査へ
チェンジしていく時代が続きました。


Astronaut Buzz Aldrin photographed by Neil Armstrong. /NASA./wikipediaより画像引用。


現在までの月探査


月探査計画が進まない時代が続く中
1990年、内之浦から打ち上げられた「ひてん」が

月の軌道に到達した3番目の国に日本がなり、
1994年以降はアメリカ、ヨーロッパが月周回

探査を何度か実施し月面衝突による観測を実施。
インドは月面に水を発見したと確信していたものの
水変性した鉱物という認識にNASAはとどまる。


水分子が見つかった、月のクラヴィウス・クレーターの位置と、それを発見した成層圏赤外線天文台「SOFIA」 (C) NASA


長年、月に水が大量にあるという噂は近年
NASAが所有する成層圏赤外線天文台「SOFIA」により

月の極にある「永久影」の中に水分子に特有の
波長を検出する。土の中に
100~412ppmの
水分子が閉じ込められていることを発見し
噂ではなくなりました。
※「SOFIA」の事を知りたかったら過去ブログをどうぞ。


さて、月探査計画が世界中で進展し始めた中
中国の計画が躍進しているのは
事実。
それは「嫦娥計画」だ。
2007年10月24日に月周回衛星嫦娥1号を打ち上げて以来
2013年に月面に軟着陸し探査機を切り離す。
決定的なのは忘れもしない2019年のお正月休み
月の裏側への嫦娥4号と探査機の軟着陸が成功した事!
これには鳥肌が立ったのを覚えています✨


©BBC JAPAN


 その後、嫦娥5号は4回目の軌道修正(近円形月周回軌道)
内モンゴルの草原に帰還機が着陸し44年振りに
サンプルリターンが成功しました。
中国が今後目指すもの、それは
月面にステーション建設を行い
長期の無人ミッション、短期の有人ミッションを
可能にすることであろう。
そしてそこに希少物質がある事を念頭に入れていて
当然であろうけど・・・。



中国航天科技集団第一研究院では次世代有人
キャリアロケットのマルチマシン並列静動共同試験を
完了し同ロケット開発が試作機開発段階に進みました。
宇宙ステーションのコアモジュール天和に
つい先日、実験モジュール問天がドッキングに
成功したばかり。宇宙事業には出遅れていた
中国が世界をリードする側になったのは明らか。
今後の動向がとても気になりますね。



未来の月探査計画


日本の計画

© ISAS/JAXA


JAXAが計画している日本の無人月面探査計画が
あります。探査機の名前を称しSLIM計画といいます。
探査機の名前はSLIMSmart Lander for Investigating Moon)
去年H-IIAロケットに搭載され打ち上げ予定でしたが
相乗り予定のXRISMの計画進展が
遅れている事からSLIM計画も延期となる。
先だってH2A-47号機のコア機体が公式に
公開されたので年度内打ち上げが可能ですね。

©ISAS/JAXA

  

          ~ SLIM詳細 ~

    ・高さ⇒2.4m ・幅⇒最大2.7m ・奥行⇒1.7m

    ・重さ⇒190Kg(着陸時210Kg)・メインスラスタ⇒2本
    ・補助スラスタ⇒12本 ・着陸制度⇒100m以内 


SLIM計画での目的は2つ。
・小型の探査機によって、月への高精度着陸技術の実証
・軽量な月惑星探査機システムを実現し、月惑星探査の高頻度化
という目的を掲げている。
要は小型、軽量で如何に無駄なく
月にたどり着けるかということ。


限られた許容重量の中、月まで辿り着くには
地球周回から離れ2回目の軌道補正マヌーバ後
月の重力を利用した月スイングバイを実施
遠地点高度をさらに上げ3回目のマヌーバ後
太陽潮汐力を利用して月との会合ポイントへ到達予定。


©ISAS/JAXA

©ISAS/JAXA

SLIMは高度15kmの地点(近月点)で
着陸シーケンス前、メインエンジンを逆噴射し
搭載されたカメラで姿勢制御しながら動力降下開始。
高度3.5Km、レーダーで検出しながら垂直降下し
メインエンジンOFFし姿勢制御しながら着陸🛰
着陸ポイントは既に決定しております。


国際天文学会(IAU)で認可されたクレーターは
『SHIOLI』~しおり~。
ティコクレーターの右斜め上あたり
神酒の海にある270mほどのクレーターです。
約15度の傾斜地なのであえて腹ばいにする
「2段階着陸方式」をとるようです。
着陸直前に放出される超小型ロボット1,2。

LEV-2はタカラトミーや同志社大学、ソニーグループが
共同研究した変形型月面ロボットで愛称「SORA-Q」。
年度内の打ち上げが待ち遠しくてたまりません。




アルテミス計画


「アルテミス計画」・・・皆さんも耳にした覚えが
ありませんか?天文好きなら分かりますね。
ギリシャ神話に登場する月の女神「アルテミス」です。
アメリカ最初の月探査が「アポロ計画」だったので
双子の女神アルテミスの名を使った
「アルテミス計画」です。どんな計画かな?



©NASA


~当初の計画~
★2020年予定
⇒「アルテミス1」で月の無人周回飛行。
★2022~2023年予定⇒「アルテミス2」で有人周回飛行。
★2024年予定⇒「アルテミス3」で有人月面着陸!
月面着陸には女性飛行士が!!
アルテミスに
ふさわしい女神の飛行士ですね
★2022年から2024年⇒ 並行して、月面着陸の拠点となる
月周回軌道上の
小型宇宙ステーション「ゲートウェイ」
建設計画の為
5回の打ち上げを行い資材運搬などを
NASAもですが民間企業参入し計画予定でした。
そしてこの計画はアメリカだけではありません。


アルテミス合意

©内閣府


©内閣府 宇宙政策委員会


NASA提案の「アルテミス計画」はコロナの影響も
大きく当初の計画より遅れ2025年頃に
月面に人類を送りゲートウェイ(月周回有人拠点)計画
を通じて月に物資を運び、月面拠点の建設を行い、
月での人類の持続的な活動をめざす
とってもワクワクな計画なんです🌝
その計画に日本、カナダ、イタリア、UAE、
ルクセンブルク、イギリス、オーストラリア、追加で
韓国、ウクライナが合意し計画を進めています。



Credit: NASA/Frank Michaux.


 アルテミス1 

・NASAの新型有人宇宙船「Orion」と新型ロケット「SLS(スペースローンチシステム)」は初号機の組み立てが終わり、無人のミッションはひとまず、※予定では今月の8月29日に打ち上げる予定で進めている。今回は無人飛行試験の為、オリオンは月周辺を飛行した後、打ち上げから4〜6週間後に地球へ帰還します。6月のリハーサルで移動式発射台基部をつなぐ部分に、水素漏れが確認されていましたが、NASAによればその原因がコアステージ側の部品だったことが特定され、修理が行われました。有人での月周回飛行が安全に行えるかの試験実験ということになります。※ケネディ宇宙センター第39発射施設


 アルテミス2 

・アルテミス1の有人ミッション版ということになります。「Orion」カプセルに宇宙飛行士4人が搭乗して月へと向かい、月面着陸せずに地球へと帰ってきます。現段階での予定は2024年5月頃打ち上げとなっています。


©NASA


  アルテミス3 

・アルテミス2の計画+有人飛行+月面1週間滞在となります。2025年かそれ以降の打ち上げを目標としています。宇宙飛行士四人のうち2人は、月の南極地方に降り立つ1週間近くにわたって月面を探査し、他の2人は「Orion」に連結されているゲートウェイに1週間滞在し4回のEVA(船外活動)を計画予定。


「アルテミス計画」は現段階でサポートミッションも含め
11あります。それ以外にもゲートウェイ建設に関する
資材輸送などたくさんのミッションがある。
そして、NASAや締結国以外にも
民間企業の参入はたくさんあります。
有人ミッションでは当初2社の予定が3社の
ブルーオリジン、スペースX、ダイネティクス参入となる。
その他のミッションでは日本もJAXAと
ispace,トヨタ
で参入します。


 アルテミス4 以降 

・④現時点では2026年に計画されています。4名の宇宙飛行士がゲートウェイへと打ち上げられ、月での拠点の組み立てを続けます。ESAの国際居住棟「I-Hab」をゲートウェイに運搬。➄2027年予定。ゲートウェイに4名の宇宙飛行士を送り、うち2名は宇宙は再び月の南極地方を探査する予定。ゲートウェイの燃料補給や通信機能の向上の為ESAの技術提供があるみたい。⑥以降は明確なミッション記載はありませんが、大まかな目標は明記されています。月で最大で45日間、人類が月で持続的に駐留できるよう計画は2032年まで進む予定。 



月から火星へ

Meet the Artemis Team
At NASA, we have always answered the innate call to explore and our achievements have changed the course of history. Now, we’re returning to the Moon under t...


SpaceX/NASA Artemis Gateway station concept animation
In this video, we show the SLSS (Single Launch Space Station) used as the NASA Artemis Gateway station. The design is an unofficial design made by us.SLSS ov...

『人類が再び月へ行く!』
1972年までのアポロ計画の中でNASAは
計6回の有人月面着陸を成功させました。
捏造説がどこかの国でささやかれている中

applestarが生まれる前の事で、人類が再び
地球以外の天体の地を踏む事を見れる日が
来るとは本当に嬉しい限りですヾ(≧▽≦)ノ✨


そして現在「アルテミス計画」が進む中
この月ミッションが終わったその先に

人類は何を目指すのだろうか?
それはもちろん、月での人類居住が長時間で
可能という事が実証されれば、その技術を活かし
他惑星への有人飛行を可能にする事だろう。
その最初の計画遂行者になるであろう人は
想像通りの方です。


PHOTOGRAPH BY KEVORK DJANSEZIAN, GETTY IMAGES


SpaceX社 CEOのイーロンマスク氏が
当初より3年遅れだが、2029年に
火星有人飛行を実現し、以前から語られていた
火星に都市建設をするというプロジェクトを発表。
それに際し火星への飛行を実現する為の
スターシップの安全
飛行が必須。
これが実現すると一度の飛行で

100人の乗船が可能となる「ノアの箱船」だ。


©SPACEX


イーロン・マスクは、人口爆発や気候変動、
人工知能の進化など地球規模の脅威を常に
考えている起業家でSNSでのその類の発言は多い。
人類の破滅を避けるには、地球外に居住地を
建設する事が将来の選択肢のひとつになると考えていて
火星移住計画に真剣に取り組んでいます。


一般人からみると現実に行われてる宇宙事業も
なかなか浸透しておらず何処かで「夢物語」と

思われていますが、これは何処かの国の
絵空事ではなく、最先端の「現実」に他ならない。
地球で起こる事象は近年では確かに過去を凌ぐ
勢いで気象は悪化しているのは事実。


宇宙事業は関係ない所で起きている事ではなく
宇宙実験などの結果が数年後、数十年後の私たちの
衣食住や医療、学問、産業、通信などのどれかの形で
必ず還ってきます。「こんな事するんだ~」って
少しだけでも読んで知ってくれたら嬉しいです(^_-)-☆
長文読んで下さりありがとうございました♪
ではでは、applestarでしたぁ♪バイバーイ👋

コメントをどうぞ

  1. レミが好き より:

    最近amazonプライムで「ムーンフォール」という、月が人工的に作られていてそれが地球に落ちてくるという映画を見たばかりなので月の話題はタイムリーでした。
    アルテミス計画は夢があるのでぜひ実現してほしいですね^^

  2. applestar より:

    レミ好きさん、コメントありがとうございます。
    今月末には無人機ミッションのロケットが
    打ち上がる予定です。人類の壮大な夢実現したら
    凄いことですよね^^
    「ムーンフォール」という映画面白そうですね。
    見てみたいと思います^^

  3. it.jun より:

    おはようございます。いつも更新を楽しみにしてます。ホットな話題で長文をあっという間に楽しく読み終わりました。そうですね、自分は天文ファンですが宇宙事業にはそこまで興味がありませんでしたが、こうして世界や日本の今を知るのも面白いものですね。自分はapplestarさんのブログで色んな事を知っていますので、今後も楽しみに待っています。いつもありがとうございます。

    • applestar より:

      it.junさん、コメントありがとうございます。
      ブログご覧くださりとても嬉しいです^^
      興味がない方でも、「そうなんだー」って
      頭の片隅にでも残ってくれたら本望です!
      今後もよろしくお願いいたします^^

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