宇宙膨張のその先は・・・。

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物理
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前回のブログでは、宇宙空間の膨張について
触れましたが、私たちの想像ではピンとこないし
先の事すぎて人類はおろか、
地球すら無い頃のことです。
しかし、宇宙がどうやってはじまったのか?
どうやって終わるのか?を知りたいのは
人類たっての願望であり探求心が欠ける事はないでしょう。
今回のブログでは宇宙空間の膨張が進んだあと
どうなるのか幾つかの理論をご紹介いたします。





宇宙終焉のシナリオ

 

 

膨張がすすむその先に待っているもの・・・
科学者が導き出す理論は一体どんなものがあるのか?
近年、よく聞かれる宇宙論の中でも
3つのシナリオをご紹介しましょう。

 


ビッグクランチ

画像引用:Wikipediaより

animation:Wikipediaより


宇宙が加速膨張を今後も続けていくと、加速膨張の
原因とされるダークエネルギーが、いずれ重力に抑えられ
加速膨張が終わり、宇宙は収縮に転じて最終的に
宇宙のはじまりと同じ、ビッグバンの
高密度状態に逆戻りするという理論(閉じた理論)
また、現在の宇宙は50回目などの話もあり何ともSDGsな
サステナブルな宇宙のようなサイクリック理論もあるが
現時点でその可能性は低いと考えられているようです。

 



ビッグリップ

Credit: Jeremy Teaford, Vanderbilt University


ダークエネルギーの影響により空間の膨張が
どんどん速くなり、最終的に宇宙を構成する四つの力
全ての構造体をバラバラに引き裂いてしまう
というもの。ダートマス大学のロバート・コールドウェル氏
が提唱している(開いた宇宙)
宇宙の終焉の約6000万年前に
重力は銀河系やその他の銀河を支えることができないほど
希薄となる。この理論での宇宙終焉は
現在から
220億年後という結果を得たようです。



ビッグフリーズ

credit:NASA


ビッグリップ(開いた宇宙)ほどダークエネルギーの影響が
強くない場合に発生し、最終的に全ての物質や
エネルギーが互いに距離が開きすぎて
宇宙では何も起きなくなってしまうという理論(平坦な宇宙)
他の物質との相互作用も起きないという
物悲しい孤独な宇宙になるらしい。



宇宙の始まりは本当にビッグバン説?

そもそも、宇宙の終わりを論じる前に
宇宙の始まり、ビッグバン宇宙論は正しいの?
と思いませんか?その問いに「絶対正しい」とは言えません。
正しい裏付けが増えている・・・とされる主流理論です。
そう転じたのは、やはりエドウィン・ハッブルの
宇宙膨張の発見でしょう。

 



20世紀頃までは、定常宇宙論を支持する学者が
多くビッグバン理論を揶揄したりもしたそうな。
宇宙は永遠に不変であり、赤方偏移も
「くたびれた光」であり光エネルギーが
衰退しているのだと論じていた時代もあったが
電波観測や宇宙望遠鏡の時代に突入すると
遠方銀河の表面輝度の観測結果や
宇宙マイクロ波背景放射の観測、そして1998年に
発表された宇宙の「加速」膨張の発見でしょう。
更にビッグバン理論の裏付けがなされました。

 


ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡

credit:NASA/Northrop Grumman


NASAが中心となり共同開発で満を持して打ち上げた
ハッブルの後継機ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は
「SMACS0723銀河団」が存在する46億光年遠方の領域を
撮影した結果、我々の銀河系の様に円盤状の形をした
銀河が予想の10倍も多く存在していた事を観測し
ビッグバン説危うし!などネット上で囁かれました。


確かにJWSTの観測結果により、宇宙のかなり初期から
形の整った銀河が多数あったと分かり、
銀河形成のメカニズムの理解は訂正する
箇所はあるものの、現在の銀河に比べると
大きさは平均より小さい事が分かったのだ。
これが何を意味するかというと、過去に銀河が
存在しない状態から形成されていったとする
ビッグバン宇宙論の主張と矛盾していない結果です。



で、結局?

宇宙の全エネルギーの約95%を占めるといわれるダーク成分。
それを構成するダークマターやダークエネルギーの
正体は依然としてよく分かってない。
その解明に向けて、世界中でさまざまな観測が
行なわれている。そんな中、Kavli IPMU、東京大学、
国立天文台らの国際研究チームの成果が出ました。

 


宇宙を加速膨張させているのは、未だ正体不明の
ダークエネルギーであるといわれています。
ダークエネルギーは時間進化の量が、アインシュタインが
導入した宇宙定数(W=-1)よりも離れるほど
「ビッグリップ」が起きると言われているが
今回の研究で
95%の確率で-1.08よりも大きいという
下限が判明したのでほかの観測結果と
組み合わせると、少なくとも
宇宙は今後1400億年、ビッグリップが起こらないとした!

 

 


Credit: NASA, ESA, CSA, STScI(ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡)


しかし、宇宙の95%を占めるダーク成分が
正体不明な以上、結論は出せません。
そして、宇宙の始まりも宇宙の終わりも
人間がそれを確認する事はできません。
何で人間って知らなくても損しないのに

知りたくなる生き物なんでしょうかね(;´∀`)💦

 


結論!宇宙の終わりなんて、今は誰も分かりません!!

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