前回のブログでは、宇宙空間の膨張について
触れましたが、私たちの想像ではピンとこないし
先の事すぎて人類はおろか、地球すら無い頃のことです。
しかし、宇宙がどうやってはじまったのか?
どうやって終わるのか?を知りたいのは
人類たっての願望であり探求心が欠ける事はないでしょう。
今回のブログでは宇宙空間の膨張が進んだあと
どうなるのか幾つかの理論をご紹介いたします。
宇宙終焉のシナリオ
膨張がすすむその先に待っているもの・・・
科学者が導き出す理論は一体どんなものがあるのか?
近年、よく聞かれる宇宙論の中でも
3つのシナリオをご紹介しましょう。
ビッグクランチ
宇宙が加速膨張を今後も続けていくと、加速膨張の
原因とされるダークエネルギーが、いずれ重力に抑えられ
加速膨張が終わり、宇宙は収縮に転じて最終的に
宇宙のはじまりと同じ、ビッグバンの
高密度状態に逆戻りするという理論(閉じた理論)。
また、現在の宇宙は50回目などの話もあり何ともSDGsな
サステナブルな宇宙のようなサイクリック理論もあるが
現時点でその可能性は低いと考えられているようです。
ビッグリップ
ダークエネルギーの影響により空間の膨張が
どんどん速くなり、最終的に宇宙を構成する四つの力
全ての構造体をバラバラに引き裂いてしまう
というもの。ダートマス大学のロバート・コールドウェル氏
が提唱している(開いた宇宙)。宇宙の終焉の約6000万年前に
重力は銀河系やその他の銀河を支えることができないほど
希薄となる。この理論での宇宙終焉は現在から
220億年後という結果を得たようです。
ビッグフリーズ
ビッグリップ(開いた宇宙)ほどダークエネルギーの影響が
強くない場合に発生し、最終的に全ての物質や
エネルギーが互いに距離が開きすぎて
宇宙では何も起きなくなってしまうという理論(平坦な宇宙)。
他の物質との相互作用も起きないという
物悲しい孤独な宇宙になるらしい。
宇宙の始まりは本当にビッグバン説?
そもそも、宇宙の終わりを論じる前に
宇宙の始まり、ビッグバン宇宙論は正しいの?
と思いませんか?その問いに「絶対正しい」とは言えません。
正しい裏付けが増えている・・・とされる主流理論です。
そう転じたのは、やはりエドウィン・ハッブルの
宇宙膨張の発見でしょう。
20世紀頃までは、定常宇宙論を支持する学者が
多くビッグバン理論を揶揄したりもしたそうな。
宇宙は永遠に不変であり、赤方偏移も
「くたびれた光」であり光エネルギーが
衰退しているのだと論じていた時代もあったが
電波観測や宇宙望遠鏡の時代に突入すると
遠方銀河の表面輝度の観測結果や
宇宙マイクロ波背景放射の観測、そして1998年に
発表された宇宙の「加速」膨張の発見でしょう。
更にビッグバン理論の裏付けがなされました。
ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡
NASAが中心となり共同開発で満を持して打ち上げた
ハッブルの後継機ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は
「SMACS0723銀河団」が存在する46億光年遠方の領域を
撮影した結果、我々の銀河系の様に円盤状の形をした
銀河が予想の10倍も多く存在していた事を観測し
ビッグバン説危うし!などネット上で囁かれました。
確かにJWSTの観測結果により、宇宙のかなり初期から
形の整った銀河が多数あったと分かり、
銀河形成のメカニズムの理解は訂正する
箇所はあるものの、現在の銀河に比べると
大きさは平均より小さい事が分かったのだ。
これが何を意味するかというと、過去に銀河が
存在しない状態から形成されていったとする
ビッグバン宇宙論の主張と矛盾していない結果です。
で、結局?
宇宙の全エネルギーの約95%を占めるといわれるダーク成分。
それを構成するダークマターやダークエネルギーの
正体は依然としてよく分かってない。
その解明に向けて、世界中でさまざまな観測が
行なわれている。そんな中、Kavli IPMU、東京大学、
国立天文台らの国際研究チームの成果が出ました。
宇宙を加速膨張させているのは、未だ正体不明の
ダークエネルギーであるといわれています。
ダークエネルギーは時間進化の量が、アインシュタインが
導入した宇宙定数(W=-1)よりも離れるほど
「ビッグリップ」が起きると言われているが
今回の研究で95%の確率で-1.08よりも大きいという
下限が判明したのでほかの観測結果と
組み合わせると、少なくとも
宇宙は今後1400億年、ビッグリップが起こらないとした!
しかし、宇宙の95%を占めるダーク成分が
正体不明な以上、結論は出せません。
そして、宇宙の始まりも宇宙の終わりも
人間がそれを確認する事はできません。
何で人間って知らなくても損しないのに
知りたくなる生き物なんでしょうかね(;´∀`)💦
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