1秒の世界

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物理
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私たちは日々忙しく、仕事に家事に趣味にと
慌ただしく暮らしています。
そんな中、いかに有意義に過ごせるか優先順位を考えて
時間をマネジメントしていますが
「1秒」なんて瞬き1回ほどのあっという間の時間を
意識する事って皆さんはありますか?
私は意識することはないかな~・・・。
今日はそんな「1秒」の世界を一緒にのぞいてみよう。


1秒とは

「1秒」と言いますが、ただ「イチ」と数えて
過ぎゆく”時の経過”と見なすのが普通ですが
よくよく考えると
1時間は60分、1分は60秒、では1秒は何?
・・・・。


これは知らない人も多いかと思います。
昔は地球の自転を基にして1秒は平均太陽日
86400分の1とされていました。
現在では、原子番号55「セシウム133」(Cs)の
共鳴周波数9,192,631,770Hzが1秒の定義です。
原子時計の正式名称は「原子周波数標準器」です。





しかしこの原子時計でさえ、チェックを受けています。
なぜなら正確といわれる原子時計も
原子の熱運動がもたらす「不確かさ」があるから。
その原子時計をチェックしているものの1つに
国立研究開発法人 産業技術総合研究所が開発した
2000万年に1秒も狂わない「JF-1」がある。
国際的な標準時である協定世界時の進み方の
監視を定期的に行っていますが2030年には
「秒の定義」が変わるかもしれません。
未来はセシウム原子から「光格子時計」になりそう。
人類は未だに真の1秒を模索している最中ですが


© The University of Tokyo 2015



1秒の世界

では、ここからは私たちが暮らす中で
「1秒」でどんな瞬間世界が見えているのか
のぞいてみましょう。


ロケット

目的により変わりますが、衛星を搭載したロケットが
もし高度400kmの軌道上に衛星を送りたい場合
時速2万7612Kmが必要です。
高度400Kmの衛星軌道に載せる為に何故こんなに
とんでもないスピードが必要なのか?
それは地表に近い軌道ほど地球の重力が影響するから。
地球の重力を振り切るスピードが必要なのです!
1秒間に7.67Kmも進む速さの世界です。
人間だと半歩から一歩ですね。



まばたき(瞬き)

1秒のようなあっという間のことを
日本語では「一瞬」といいますが、他にも
「瞬きのごとく一瞬」でとも言います。
では人間の瞬きってどんなスピードなんだろう?
平均すると人は約0.3秒に1回まばたきをします。
1秒間に平均10cm~15cmくらいかな。
この瞬きは人間の生理現象のひとつですが
脳の情報処理と深く関係があるとされています。



最速の人工物体

人類は文明と共に色々なものを作り上げてきました。
その中でもスピードのあるものは世の中を便利にし
魅了してきました。そんな速さに飽くなき
探求を見出す人類が作った中で速いものといえば
有名なのは渋いシルエットの「ブラックバード」
しかしそれをも簡単に凌駕する、私が知る中で
ビックリするほどの人工物最速は・・・


credit : NASA


人工物が最速なのはやはり宇宙空間ですね。
その中でも太陽探査機 ヘリオス2号は
時速252,792Kmにまで達しました。
これはまさに1秒間に約70km進む世界です!!
まばたき2回ほどの間に隣の県に行ける速さですよ!



自然界最速

さて、人間が作り出したものの最速は宇宙探査機でした。
では、自然界での1秒間の最速はいったい何なのか。
・・・・。書くのも緊張しますが・・・。

 

 


この宇宙で今のところ分かっている最速とは
言わずもがな分かるでしょう。
では、競争してみましょうか!

 

第1レーン ニュートリノさん
第2レーン重力さん

第3レーン光さん
それでは只今より開催!100M走 宇宙選手権、決勝戦!
位置について、よーいドン!
ゴーール!!
おどろきおどろきえっ、もうゴール?
うん?
猫?速すぎて全く見えなかったので
超極遅、スローVTRで見てみましょう!

 



なんじゃこりゃ~!スロー再生でもこの僅差!
それでは発表します。自然界の最高速度、
第3位はニュートリノ✨
299,792.458㎞未満/s!
では、第2位は・・・いません恐怖
ということは同率で第1位は、重力と光で299,792.458㎞/s✨
桁が多すぎてピンときませんが
重力と光は1秒間に299,792,458km進みます。
でも、これはあくまで真空中の速さね。


1位の重力と光に共通するものって何か分かりますか?
それは
「質量」がないビックリってことだね。
アインシュタインは特殊相対性理論
にて
『真空中の光の速さは、止まってる人からも
動いている人からも
常に一定である』という
皆さんもご存じ「光速度不変の原理」に基づいて
発表しています。
現代の科学の世界でもまだ光速を超える
粒子の発見はないんだ。もしかしたら近い将来
光速を超える何かが現れるかもしれませんね。



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​​​​

私たち人間の目には速すぎて見えないものもあるし、
遅すぎて止まっているものと認識したり。
分からないものも含め同じ1秒でのそれぞれの
スピードがあるんです!

 


この宇宙にある物質は分子・原子から成り立ち、
ミクロの世界で見ていくと絶対零度(0ケルビン=-273.15℃)でない限り
振る舞いがあるんですよ。という事は、ミクロの世界で見ると
この宇宙に止まっているものは無いかもしれません。
今日は簡単でしたが色んな秒速の話をしました。
ここまで読んでくれてありがとうございました☺

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