空気シャワー

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物理
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南九州では新緑の季節を迎え
色鮮やかな自然を楽しみたいところですが
そのまま夜も晴れて欲しいのですけど
ジメジメな雨や曇天の夜が多いです
そろそろ梅雨が近づいてくる頃ですね・・・
ジメジメな日のシャワーは最っ高♪ですが
同じシャワーでも今回は空気シャワーの
話をしていきたいと思います



宇宙には何があるの?

私たちは広大な宇宙の中にある
天の川銀河の端っこ太陽系第3惑星
「地球」に住んでいます
宇宙には色んな天体がもの凄い数存在し
9割以上は”未解明”な事でいーっぱい
それでも人類や身の回りの物や色んな天体を
構成する物質が何なのか?
少しずつ解明されています




人間というのは「なぜ?」を考える生き物
身の回りにある物は何でできてるの?
いつも食べてるパンやごはんは何でできてるの?
スマホはどんなものでできてるの?
私たちは何でできてるの?
地球はどうやってできたの?
太陽はどうやってできたの?
銀河はどうやってできたの?
そもそも宇宙ってどうやってできたの?



※地球の大気は誕生直後や途中で成分組成は現在とは異なります



考えればキリがないほどの「なぜ?」がある
その「なぜ?」を知る為には物を小さく見ていき
それは即ち過去にさかのぼっていくということ
そうすると人間の目には見えない世界が現れます
そして更に深く知ろうとすると
それは138億年前の宇宙の誕生にさかのぼります
よく例えられる神話のウロボロスの蛇ですね
最も大きい宇宙と最も小さいとされる物質
マクロとミクロ…対極の様で同じ世界である象徴



©高エネルギー加速器研究機構(KEK) 素粒子原子核研究所



色々とここまで書いてきましたが
単刀直入にいうと、宇宙が何でできているのか?
分かっているのは全体のたった5%だけ
通常の物質(元素表に書かれているもの)や電子
陽子や中性子などその他の素粒子5%だけ
それ以外の95%は謎だらけ・・・そのうち
実証はないもののあるといわれる物質を含む
ダークマターが約27%
その他ダークエネルギーとされるものが約68%




宇宙線とは

私たちが住む地球には色々な物質がありますが
地球内部と大気とでも
組成に違いがあります
では地球の大気圏を飛び出しいわゆる
宇宙空間と呼ばれる所では
どんな物質があるのでしょうか?





地球大気と言っても高度の違いにより
組成は変わってきます
そもそもどこからを「宇宙」というのか?
地球の範囲で起こる現象は「気象」といい
宇宙で起きる現象を「天文現象」といいますが
その境界線は・・・?



© JAXA



国際航空連盟(FIA)では高度100㎞から
アメリカ空軍は高度80㎞からを宇宙と
定義していますがISSが飛行している
高度400kmあたりは希薄大気だが
地球の重力の90%もの影響を受けている
実はどこからが宇宙という明確な境はありません
高度400㎞あたりは水素やヘリウム
酸素や窒素が占めています
元素表を見ると分かりますが地球の大気は
元素表の順番通り重いものほど下にあります



では、もっともっと遠くの宇宙空間では
どんな物質がただよっているのでしょうか?
現在分かっている約5%のうち宇宙空間を漂う
ものは陽子が1個でできた水素が約90%
陽子と中性子が2個ずつでできたヘリウムが約9%を
素粒子やヘリウム原子核よりも
重たい原子核になったものです
これは宇宙線と呼ばれる高エネルギーなもの
いわゆる放射線(α線、γ線、β線、X線、中性子線、陽子線など)
原子や分子から電子を剥ぎ取る電離作用を持っている



左の写真: Credit: 泉拓磨/NAOJ、右の写真:(c)AFP/EUROPEAN SOUTHERN OBSERVATORY/M.Kornmesser

この宇宙線と呼ばれる高エネルギー粒子は
どこからくるのでしょうか?考えられているのは
ブラックホールから噴き出すジェットからの

プラズマ現象や星がその一生を終える時に起こす
超新星爆発や太陽フレア高エネルギーの
天体現象から放たれるといわれています
この宇宙線は宇宙空間を飛び交っています




空気シャワーとは

宇宙線が宇宙空間を飛び交っているなら
地球への影響はどんなんだろうか?
実は地球にも到達しているんです!!
しかし宇宙線といえども地球の分厚い大気に
阻まれ吸収されてしまうものもありますが
高エネルギーの宇宙線ならば地球の
大気と反応した粒子が表れます
宇宙空間を飛び交う宇宙線を一次宇宙線といい
地球大気と反応し生成された宇宙線を
二次宇宙線(ほとんどがミュー粒子)といいます



宇宙線は光速に近い速度で大気に突入します
空気中の窒素分子や酸素分子に衝突し
原子核を壊し中間子と呼ばれる新たな粒子を生成
その中間子も高速で周りの原子核に衝突し
さらに多数の中間子を生成
あっという間に凄い数に増えます
宇宙からやってきた宇宙線が地球の大気中で
大量の二次粒子が発生する現象を
「空気シャワー」という事が多いです



©A. CHANTELAUZE/S. STAFFI/L. BRET



さて大気と衝突し新たに変異した”中間子”の寿命は
人間の瞬きよりもっと短いものです
中間子にも幾つかありπ中間子の寿命は26ナノ秒
では宇宙から飛来した宇宙線が地球大気に
衝突し”中間子”と変わった後は?
エネルギーを落としながら
ミューオン、ニュートリノ、中性子、ガンマ線
電子、陽電子となって地上に降り注ぎます



©東京大学宇宙線研究所



宇宙線が大気と接触し新たな二次宇宙線は
頻繁に観測されるものなのでしょうか?
いいえ違います!
超高エネルギーともなる宇宙線となると
なかなか観測も滅多には起こりませんが
空気シャワーが発生すると最終的には1,000億個もの
粒子が数百平方メートルの地上に降り注ぐのです




広大な宇宙から降り注ぐ稀に来る超高エネルギー
宇宙線は原子核の崩壊による核反応で
宇宙観測のみならず地上での観測も可能です
チベットの高地に設置された空気シャワー観測装置と
地下ミューオン観測装置の検出器は有名です
勿論、岐阜県神岡にあるカミオカンデも
二次宇宙線として中間子からニュートリノへ
変わるニュートリノ振動の発見に至りました
大きな宇宙を知るにはミクロの世界を知るべし!
今後の素粒子物理の発展が楽しみでなりません



©J-PARK

人類が誰も見たことのない物を理論だけではなく
実証してなんぼの科学の世界
目に見えるものだけがこの世の全てではありません
そんな謎多き宇宙・・・楽しくて仕方ありません
皆さんも「なぜ?」を考えてみると面白いかも♡
ではではapplestarでしたぁ♪バイバーイ👋

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