重い元素はどこから来たの?

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物理
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さて、私たちが暮らすこの宇宙は
約138億年前に誕生したとされています。
その宇宙は誕生してから現在に至るまで
加速膨張し続けている事が分かっています。




プランク期、インフレーション期、ビッグバン期を経て
一瞬のうちに加速膨張し凄まじい変化を
起こした宇宙誕生の瞬間・・・
その時元素はまだ存在していません。
今回のBLOGでは宇宙誕生の瞬間から
現在に至るまでの元素の成り立ちに
少しだけ触れてみたいと思います。

 





宇宙誕生のその瞬間・・・
そう簡単に言いますが、人間の感覚では
想像もつかない時間スケールです💦
宇宙誕生から10⁻¹²秒後、高密度の灼熱状態で
ヒッグスバの性質が変化し光子とグルーオン以外の
素粒子がギューギューで動きにかったようです。





全ての素粒子が、それぞれの粒子と同じ質量で
電荷が正負反対であるような反粒子を
持つことが分かっています。
本来であれば、この粒子・反粒子が
ぶつかり合った瞬間に対消滅するはずが
ごく僅かの粒子が残り反粒子は消え去りました。



宇宙誕生から10⁻⁵秒後、陽子・中性子
電子・陽電子が誕生しました。
ここで粒子と反粒子の衝突で
ごく僅かに粒子が残ってくれたことが
今の宇宙、私たち人類を作ってくれたようです。
(粒子、反粒子に僅かに寿命の差がある事が分かった)

 

 

©理科年表



宇宙誕生直後には1000兆Kもあった
高温・高密度のちっちゃな宇宙も10億Kまで下がり
素粒子たちが宇宙誕生後から3分後には
陽子1の軽い水素原子核と中性子が
陽子に取り込まれヘリウム原子核が誕生!

 



そして、それから長い長い時を経て
37万年後、灼熱状態でガヤガヤしてた素粒子たちは
直進できずにグネグネと進んでいたけど
「宇宙の晴れ上がり」後には
数千Kまで下がり宇宙空間は一気に
冷え込んでいきました。



先に誕生していた軽い水素と ヘリウムの
原子核たちに 上のイラストだと「青色」の
電子が 取り込まれ、水素・ヘリウム
リチウム原子が 誕生しました。
このお陰で窮屈だった空間にゆとりができ
光の通り道ができた。そして
光は直進できるようになったようです✨
ということは・・・光がくねくねしてた時代の
宇宙を電磁波を使って観測しようにも
無理って事になりますよね?
重力波観測とかになるのかな? 
重力がある事は分かってますが、重力子は未発見です。





宇宙誕生から更に4億年ほど経った頃
宇宙空間には上記に書いたように
水素・ヘリウム・リチウムなどとても軽い
元素の原子核が漂っていた。 でも、空間を均等に
まんべんなく漂っていたわけじゃない!!



私が尊敬している吉田 直紀教授の
研究分野に繋がるけど、どこかには密度が高い場所
どこかには密度が低い場所といった”ゆらぎ”ができる。
吉田教授はこれを”ムラムラする宇宙”って言ってます!
高密度の所はその質量による万有引力によって
まわりの水素原子やヘリウム原子を集め
ますます密度が高くなり巨大なガスの塊ができました。



第一世代の星(最古の星)が誕生する為の
分子ガス雲の形成です。

その後、自重に耐えれずどんどん成長し
高密度になって核融合反応で
色んな化学反応が起こったのです。
ヘリウムが炭素や酸素に!
さらにネオンやマグネシウムやケイ素が誕生。




©理化学研究所


星の核融合反応にて生成された元素は
周期表でいう 「鉄Fe」までです!では一体
鉄より重い元素はどこからきたのかな?
星の内部から生成された元素以外は
超新星爆発がかかわっているようですね!



タイプにもよりますが、大質量の超新星爆発って
高温で中性子星や ブラックホール天体に
なることもあります。中性子は電荷ゼロなので
中性子密度が高いってことは、 β⁻、β⁺崩壊が
起こる率も高い!って事になりますよね。




中性子っていうのは単独だと数分で壊れちゃう。
これをβ崩壊っていうの。 どういう事か簡潔にいうと
β線(電子・陽電子)を放出することなの。
一般的には電子(−)の放出の事を指します。
この超新星爆発は核融合反応から生まれる
最後の元素、鉄と中性子が凄まじいエネルギーで
ぶつかり合ったもので、ニュートリノの放出と
吸収などが関わっています。



カリウムやカドミウム、レニウムなどが
生成されたり、大質量じゃない超新星爆発など含め
原子番号27Coコバルトから、92のUウランまで
(6つの元素を除く)が、恒星の 一生を終える爆発で
一気に生成されたといわれてます。

 


©CERN


原子番号93からは「超ウラン元素」といわれています。
天然には存在が知られていない元素です。
また、原子番号103番以降の元素は
人工的につくりだされた超重元素といいます。
現在、地球上で発見される超ウラン元素や
超重元素は基本的に原子炉や粒子加速器で
人工的に作られたものです。
(※239Puは自然に生成され続けている)

 


原子番号113番「ニホニウム」は
理研チームにより、原子番号30「亜鉛Zn」と
原子番号83「ビスマスBi」の原子核の融合で発見されました。
加速器RILACにて衝突させ、強力なビームで
亜鉛の原子核を1秒間に2兆5000個もの莫大な個数を
ビスマスに照射しました。
GARISという検知装置もすごく
無数の粒子から113番だけを検知し、生成確率が
100兆分の1しかなかったニホニウム発見は
アジア初の元素新発見の快挙となりました。

 


©国立天文台


元素の性質は電子の数で決まります。
そしてまだまだ未知の元素があるといわれています。
原子番号173「ウンセプトトリウム(仮名)」は
理論上、存在し得る最後の元素とされているものです。
また原子番号126「ウンビヘキシウム(仮名)」も
研究者たちが発見を目指す魔法数126とされてる
未知の元素です。なぜ世界各国が莫大なお金を
かけて粒子加速器や素粒子研究所を作るのか?



それは、古代の星が地球上には存在しない
原子質量260を超える超重元素を生成する
能力を持っていたことが発見されたり
ハイパーノバァやキロノバァにおける
放射性元素のエネルギー源など
宇宙における元素生成の様相を理解するためには
研究者にとって新元素の生成が宇宙の謎を解明する
肝心な実験である事のようです。



しかし一般の方たちの中には
放射性物質の取り扱いになるわけだし
大型の粒子加速器の施設建設などは
快く思わない方々がいるのも事実です。
解明して欲しいし、マンモス加速器ができるのも
微妙だし・・・。でも知りたい。
・・・

今回は元素について軽くお話ししました。
applestarでした♪バイバイ👋

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